二次元との相性占いは、諸刃の剣である
占い師同士で打ち合わせがあった。
打ち合わせとは言っても、実際は15分ほどで日程調整をして、あとは飲み会だ。
会話の中で「そういえばアレ占ってよー」みたいに、お互いに占い合う場面もある。
今回も例のごとく、占ってもらうシーンがあった。むしろ、私が作った。
占ってほしいことがあったからだ。
私の脳内経緯を説明すると。
最近「彼の気持ちが知りたい」「彼との関係はどうなっていきますか」など、恋愛相談ばかり聞きすぎて、むしろ自分も恋愛を占ってもらいたくなっていたのだ。
とは言え、ダンナがいるので恋愛も何もない。
うーんと考えていたら、私が23歳の時に、師匠の奥さんに空想上のキャラとの恋愛について占いを依頼されたことを思い出した。
よし、私と自分のTRPGキャラとの恋愛を占ってもらう!と思い立っていた。
そのキャラクターは偏屈なハーフエルフの学者魔術師でクールに作ったが、演じるうちに案外中身は熱くて善人っぽい感じになっている。もちろん美形。声は低音がいい。
そんなバックボーンから、好きな人がいるので恋愛を占って欲しいと伝えた。
「えー恋愛!?ダンナさんがいるのに!?」
お願いした占い師(女性)はカンがよく、「えーそれ本当に実在する人ですか?」と最初に聞いてくる。それを答えたらつまらないので、適当に笑っておいた。
ニコニコしながら占ってもらったら、なんだか大変相思相愛で、そりゃそーだな、むしろ自分キモイみたいになった。
自分で作ったキャラに自分で萌えるという、究極の自給自足。
占い終わってからちゃんとネタばらしをして、朗らかに占いは終了。
その場にいた全員に案外受け入れてもらえたあたり、みんな器が広い。
かくして、私の仮想恋愛は大成就のうちに終わったのだが、自分では「私はすごくキモイ人間です」ということがとても良くわかった。
遊びのつもりが、業火で火遊びする結果となった。
お客さんからそういう依頼があっても、私は多分やらない。お金を大切にしろと説得すると思う。